宇都宮空襲70年、犠牲者しのび灯籠流し 宇都宮
1945年の宇都宮空襲から70年を迎えた12日、犠牲者をしのぶ「ふくべ・きぶな灯籠流し」が、宇都宮市中心部を流れる田川で行われ、鎮魂のともしびが県都の川面を染めた。
灯籠流しは「ピースうつのみや」(田中一紀代表)が毎年実施。14回目の今年はふくべ灯籠42個と黄ぶな灯籠6個、市民有志の手作り灯籠9個を用意した。
午後7時、千波公園脇の河原から灯籠がゆっくりと進み始めると、通行人も足止め、揺らめく炎に目を奪われていた。
宇都宮空襲があった12日、「第19回市平和のつどい」が市役所大会議室で開催された。市民ら約320人が参加し、70年前の空襲について振り返るとともに、平和への思いを新たにした。
ピースうつのみやの佐藤信明(さとうしんめい)さんが宇都宮空襲を映像資料で解説。80代の体験者2人が、焼夷弾(しょういだん)が落ちた様子や、焼け野原になった市内など空襲の惨禍を話した。
戦時中、宇都宮市(当時の城山村)に疎開していた講談師の神田甲陽(かんだこうよう)さんの「14歳の少年の目に写ったとある田舎の終戦前後の風景」と題した講演や、雀宮(すずめのみや)中合唱部による演奏も行われた。