レオン自動機 包あん機105型、機械遺産に
日本機械学会(東京都新宿区)は23日、レオン自動機(宇都宮市野沢町)が1960年代に開発した「包あん機105型」を、食品業界の近代化に貢献したなどとして本年度の「機械遺産」に認定したと発表した。同社の田代康憲(たしろやすのり)社長は「創業のきっかけである包あん機が認定されたのは大変光栄なこと。食文化への貢献が認められ、うれしく思う」と話した。
同社は創業者の林虎彦(はやしとらひこ)名誉会長が製菓業を営んだ経験から、職人の負担軽減を図り、和菓子の伝統を後世に残そうと機械化に取り組んだ。社名の由来でもある「レオロジー(流動学)」を応用し63年、あんをまんじゅう生地で包む世界初の包あん機「101型」を完成させた。
100型シリーズは包着盤と呼ばれる円形の金属板で包あんする。水平に並んだ2枚の包着盤の間に、あんを包んだ棒状の生地を通過させ、生地を押し切り、球状に成形する。回転による誘導力で、あんは露出することなく、外皮も均一の薄さを保てる。
小型化、操作性を向上させた普及型として66年に発売したのが105型。注文が殺到し、8年間で1800台余りを販売した。
認定式は8月7日、名古屋市内で行われる。